コラム

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2018.6.7 シニア人財活用の講演で、弊社の事例を紹介しました

 去る2月半ば、埼玉県が主催する講演会『埼玉発! シニア人財活用のススメ』が、浦和区のコルソホールにて開催されました。
 このイベントは、シニア世代の方々が技術や知識を活かして働ける場を増やすべく、県が推進している『働くシニア応援プロジェクト』の一環として行われています。弊社は同プロジェクトの「シニア活躍推進宣言企業」に認定されていることもあり、代表取締役・西川英寿もパネリストの一人として登壇させていただきました。

 最初に基調講演の講師として登場したのは、テレビ番組のコメンテーターとしても活躍されている、獨協大学教授・経済アナリストの森永卓郎さん。
 これまで日本の高齢労働者が担っていた警備員や高速道路料金所のスタッフなど、いわゆる「重筋労働」と呼ばれる職種は今後、人工知能を搭載したITシステムやロボットが代替するため、シニアの労働者に求められるのは、より知的な仕事が中心になっていくであろうという、大変興味深いお話でした。

 続くパネルディスカッションでは、エイブルフソーを含む3社の各代表者と、アドバイザーとして参画している中小企業診断士のみなさんが壇上に上がり、自社で取り組んでいるシニアの人財活用についての施策を紹介していきます。
 西川はなんと、トップバッターを務めさせていただきました。

 エイブルフソーでは、ベテランの職人から若手への「知識・技術の伝承」をいかにして行うかという課題に対し、まずは従業員一人ひとりのスキルを客観的に把握するため、スキルマップの作成に取り組みました。
 このスキルマップは、従業員の能力を把握するだけでなく、各自が「今後、どのようなスキルを習得していきたいか? また自分には今、何が足りていないのか」といったことを見つめ直す、大変よい機会にもなります。

 「スキルマップを取り入れて、社内ではどのような変化がありましたか?」という司会者からの問いに、西川は、「まず経営者として感じたのは、人事評価制度としての機能はもちろんですが、経営戦略における今後のビジョン策定にも大いに役立ったという点です。従業員の変化としては、特に部課長クラスの者に影響を与えたようで、“若手に何を教えるべきなのか、どんな部分を理解していないのかがわかった”等の意見が出るようになりました。また、仕事の本質がどこにあるのかを、それぞれが考えるようになったと思います」とコメントさせていただきました。

 弊社には、設計室の営業担当として今もなお活躍する70代の従業員もいます。
 彼らベテラン勢が若かった頃は、「技術は見て、盗んで覚えろ」と言われていた時代。しかし近年のものづくりの現場では、「教わっていないことはできない」という意見があるのも事実で、「聞かれれば教える。あとは自分で学んで」といった考え方は、若い人たちとのギャップを生み出してしまう可能性もあります。

 こうした世代間による感覚の違いを埋めていくためにもスキルマップは有効であり、シニアによる若手の育成において、「誰に何を教えるか/誰から教わったらいいのか」などの、やるべきことが明確に見えたのは大きな収穫となりました。

 「少子高齢化」や「生産年齢人口の減少」といった言葉を聞くと、ついネガティブな未来を抱きがちですが、ものづくりの現場では、シニアになっても元気に活躍されている職人や技術者が数多くいらっしゃいます。  もちろん、エイブルフソーもその一つ。

 シニアの方はもちろん、子育て中の女性や育児が落ち着いて職場復帰を考えている女性など、あらゆる人に門戸を開き、ともに成長していける企業でありたいと考えています。